止まった時計を動かしていく

今日はご夫婦二人が住んでいるお家のお手伝いをした。

平屋のお家には、天井まで水が届き、家全体が浸水していた。

目の前には田んぼがあり、大地が広がっているのに、どうやってここまで水が来るのか?

想像してもよくわからなかった。それくらい体験したことのない世界。

人吉では、2020年7月3日から4日までの48時間で、418.5mmから497mmの雨量が記録された。

そして、7月4日午前5時15分に避難指示が発令された。

前日から雨が降っていたものの、こんな早朝に避難指示だときっと出遅れる人がいる。

ご夫婦は、逃げるタイミングが遅くなり、車を走らせていた時には、道路は浸水してフロントガラスに水しぶきが飛んでくる程だったという。

そして近くの知り合いは、屋根の上に登り、ギリギリのところまで水が来ていたけど、無事だった。

昨日と今日がこんなにも違う経験って人生て1度でもあるのだろうか。

家の中の濡れた家財道具は、全て処分となり、今日も5人のボランティアで運んでいた。

水を吸った畳は二人でも持つのが大変で、3人でやっと持ち上げることができた。

家から出した家財は、そのままダンプに乗せ、ゴミ収集場まで運んでいく。

一緒にボランティアのさくらちゃんが、荷物が少なくなるにつれて、お母さんの顔も晴れやかになっていくのが嬉しかった!と言っていた。

本当にご夫婦は嬉しそうで、今日は1時間ほどご夫婦と話していた。

そして、ふと部屋にいる時に、時計を見つけた。

7:26

「お母さん、この時間てずっと止まってるんですか?」

「水に浸かって、そこからきっと止まってますね」

止まっている時計を見て、僕らの時間も一瞬止まった気がした。

今日僕たちが来たことで、この時間を少しでも前に進めていきたい!

きっと僕のお家が浸水していたら、悩んだり、考えたり、もう何も考えたくなくなったり、中々未来へと時間が進まなかったと思う。

だけど、きっと目の前の家財が減っていくことで、その時計は少しずつ動いていくような気がした。

山のようにあった家財道具の8割を運ぶことができて、お母さんは「やっと終わりが見えてきました!本当にありがとうございます!」と何度もお礼の言葉を伝えてくれて、

これからアパートを見つける話。

そのあとは、小さなお家を立てる話。

止まった時計の先にある未来の話をたくさんしてくれて、とっても嬉しかった。

災害に関わらず、こうやって「誰かの人生の時計が動き出すその瞬間」に関われることが

僕の大好きな時間だと改めて気づきました!

ここにいる時間、少しでも誰かの人生のエネルギーになれるように頑張ります!!

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