栗城さんが亡くなった。
悲しすぎる。。。
でもそこには、栗城さんが目指した世界があり、その想いが必ずこれからも受け継がれていく。
だからこそ、僕らは栗城さんとこれからも生きていきます。
栗城さんの生き方すっごく美しかったです。
ありがとうございます。
栗城史多
この地球上で最も高い山。エベレスト。
それは「憧れの山」であったり、「恐怖の山」であったり、人によってその見方は違うかもしれない。
僕は世界一周中に見たその山は、まだまだ未知の先にある大きな冒険のようだった。
そんな山に何度も挑戦し続けるのが、夢友である栗城さんだった。
栗城さんは2018年5月の挑戦で、エベレストは8度目になる。
これまで7度挑戦してきて、2012年秋にはエベレスト西稜で両手・両足・鼻が重度の凍傷になり、手の指9本の大部分を失っている。
それでも挑戦し、その挑戦の途中にある「否定の壁」も越えていく栗城さん。
栗城さんが伝えたかったことは何だったのだろうか。
「見えない山」と「否定の壁」を越えていく
栗城さんが山を登り始めたのは、20歳の頃。
それまでは、運動少年だった訳でもなく、栗城さんの体もあまり大きくはない。
栗城さんが登山を開始してからすぐ、世界7大陸最高峰でもあるマッキンリー(デナリ)に挑戦をしようとした。
日本の山しか登ったことがなく、ましてや海外も初めて
そんな彼には「応援という声」よりも「否定の声」の方が多かった。
大学からも退学を勧められたり、無理だという声が栗城さんの力を蝕んでいった。
それでも行こうと、マッキンリーのあるカナダへの飛行機に乗る前に、恐怖でトイレで閉じこもっていた栗城さんを「応援という声」で勇気付けたのがお父さんだった。
栗城さんは、この時父親から電話がなかったら、きっと今の僕はいないと言うくらい大きなターニングポイントだったという。
たくさんの否定という壁を乗り越えて行く中で、誰しもがどうしても辛くなってしまうときがある。
そんな時に、応援してもらえることって本当にものすごく勇気になる!!
栗城さんは、山を登ることで、「見えない山」も登ってきている。
エベレストに登るには、何百万というお金がかかる。
それに加え、「冒険の共有」をするため、動画配信を行なっている栗城さんは、一回に2000万円のお金がかかっている。
そこには「エベレストに登る」という物理的な山と「お金を集めたり、色んな声を聞いたり、ケガを乗り越えたり」と見えない山があると思う。
指を凍傷で9本切断してから、もうエベレスト登山はしないものと思っていた。
だけど、栗城さんがまた挑戦をすると知った時に、正直悔しかった。
めっちゃカッコイイ!!!
栗城さんは、こう言っていた。
「僕が指を失う上で一番怖かったのは、夢を失うことでした」
何か理由をつけてやめることは簡単だけど、多くの人が「障害」と思うものは、栗城さんにとっては「喜び」になるものだった。
もちろん苦しかったことはものすごくあると思う。
でもそこから目の前にできた山をまた登り始めること。
困難を乗り越えて、達成するものほど、それは大きな喜びになる。
それが挑戦だと栗城さんを見ていて思った。
山を登った時に1番感動する場所
「山を登ったことがある人は多いと思いますが、山登りをした時に最も感動するポイントってどこですか?」
栗城さんをはじめ、登山家と言われる人たちは揃って同じ場所を言うらしい。
みなさんは、どこですか?山の頂上に着いた時ですか?
それとも無事に下山できた時?
栗城さんたち登山家が最も感動する場所は、「頂上の3m手前」
もうすぐゴール!という時。
つまりそれは「夢が叶うとわかった時」だった。
そして、登山中の事故は、下山に起こることが多いらしい。
その理由は「夢が叶ってしまったから、気力が緩んでしまう」
だから栗城さんは登頂した時には、「次の山を考えている」
次の夢があれば、それに向かってまた頑張れるから、気が緩まないで下山することができる
だから夢はずっと続いていく。
きっとそれが挑戦をし続ける大きな理由となっていく。
そして、栗城さんは自身が超えてきた「否定の壁」を、より多くの人が超えることができような
【応援しあえる世界を作ること】
それが栗城さんが目指す「挑戦のその先」にある夢だった。
栗城さんとの最後
栗城さんがもう一回エベレストに挑戦することを知ったのは、半年くらい前のことだろうか。
僕は2年くらい前に栗城さんと出逢い、互いに挑戦していことで「夢友」と呼び合っていた。
僕は世界一周をやり遂げ、サハラマラソン250kmなどに挑戦したり、ステージをあげていくことで、「エベレスト」という冒険にも興味が湧いていた。
2018年4月
栗城さんがこれからエベレストに挑戦するということで、僕は栗城さんに会いに行った。
栗城さんのとても気さくで、ゆったりと優しい感じが僕は大好き。
待ち合わせ場所は、栗城さんがよく行くファミリーレストラン「デニーズ」だった。
栗城さんと出逢う前は、インターネットの情報でしか彼のことを知らなかった。
下山家。などとたくさんの批判されている情報が目立っていた。だから、僕にとっては栗城さんに対し、ネガティブなイメージがあった。
情報は怖いものですね。
だけど、栗城さん本人と出会ってからは、インターネットの情報はすっかり忘れ、彼のことが大好きになり、彼の想いを広めたいとも思うようになった。
デニーズでは、いつも食べているというオムライスがテーブルの上にあった。
相変わらず冗談が大好きな栗城さんと話は弾み、みんなで楽しく話していた。
「栗城さん、今回エベレストどうです!?8回目ってすごいですね!!」
「今回は死ぬかもしれないね」
と彼は、笑顔で話した。
僕はその時にものすごいなと思った。
栗城さんは、このエベレスト挑戦のために、僕の想像を超えるような練習を積んできていたし、事前のトレーニングでもかなりすごいことをしていた。
にも関わらず、出てきた言葉が「死ぬかもしれない」
それくらいの山であり、それほどの覚悟があり、何より自分の夢にそれ以上の想いがある。
だからこそ、僕は栗城さんを応援している。
ネパールに着いて、エベレストペースキャンプにも到着し、着々と高度を上げていく様子をFacebookで見ていた。
体調は優れないこともあるようだったけど、何とか進んでいる。
そして遂に7000mを越えた。
2018年5月21日
友達からLINEでメッセージが届いた。
「栗城くんが死んだかもしれない」
うそでしょ!?!?
そこに送られてきたのが、現地ヒマラヤのニュースだった。
英語で書かれた記事には、明らかに栗城さんが死んだということが書かれている。
シェルパが遺体を見つけた。
まだ海外のニュースだ!栗城さんは生きてる!!!
Facebookでは、栗城さんが下山することにしたと報告が入ってる!
まだ情報を待とう!!
そう思ってずっと携帯を眺め続けた。
死んだかもしれない。そう思うと、涙が止まらなかった。
ツイッターでは、栗城さんの死亡というニュースが拡散され続けていた。
そこには、批判の声もたくさんあり、栗城さんが感じていた否定の壁というものがここにあるのだなぁ。とずっとその画面を歯を食いしばりながら、スクロールしていた。
そして、またLINEが入った。
「公式に情報入った」
それは栗城さんの遺体が見つかったという栗城さん事務所からの報告だった。
栗城事務所の小林と申します。
このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、
エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました。
下山を始めた栗城が無線連絡に全く反応しなくなり、
暗い中で下から見て栗城のヘッドランプも見当たらないことから
キャンプ2近くの撮影隊が栗城のルートを登って捜索し、
先ほど低体温で息絶えた栗城を発見いたしました。生きて帰ることを誓っておりましたのに、
このような結果になり大変申し訳ございません。生きて帰るため執着しないと誓っておりましたのに、
最後に執着してしまったのかもしれません。皆様へのご報告が遅くなりなりましたこと、
心よりお詫び申し上げます。何m地点で発見されたかなど
これ以上の詳細が日本でわからず大変恐縮ですが、
またわかり次第お知らせ申し上げます。これまで栗城を応援していただき、本当にありがとうございました。
栗城事務所 小林幸子
ショックだった。
悲しかった。
だけど。
「栗城さんの生き方すごく美しかった」
本気で生きている人って美しい。
僕は栗城さんとデニーズで会って、「死ぬかもしれない」と聞いた時
栗城さんて「こんなにも綺麗なんだ!」と思った。
本気で1つ1つ小さな積み重ねをして、受け入れてきた人の美しさを目の当たりした。
僕は、栗城さんは今回登頂できると思っていたんじゃないかと思う。
全ての覚悟とその練習。
だからこそ、亡くなってまで伝えたいことがあったんだと思う。
そしてエベレスト登頂よりも、叶えたい夢があるんだと思う。
「僕が常に目指しているのは、山の頂ではなく、多くの人が夢を共有できる世界」
否定の壁を越え、【応援し合える世界を創る】
僕はこの想いを受け継いでいきたい。
本気で挑み、そしてみんなが挑戦できる世界へ。
栗城さんは言っていた。
「なぜ否定が起きるかというと、失敗や挫折が悪だみたいな空気がね、それが少し寂しいなと思っていて。冒険の世界には、確実に失敗や挫折がつきものなので、あえてそういうところも含めて共有していこうとやっています。」
栗城さん!!!
その想いはたくさんの人に届いています!!
そして、その夢を受け継いでいく仲間たち。冒険の共有をして下さったおかげで、一歩を踏み出すことができた人たち。勇気をもらったたくさんの人たちが、栗城さんの夢を受け継ぎ叶えていくと思います。
栗城さんとの想い出は、宝物です。
「小さな勇気を積み重ねることで、世界は変わる」
栗城さんが届けた勇気が、きっとたくさんの小さな勇気となり、世界を変えていきます。
栗城さん!!!!
ぜひこれからの世界を楽しみに見ていてください!!!!!
めっちゃ素敵な世界にしていきます!!!!
デニーズでは、最後まで否定の壁を越えようと頑張っていた栗城さんがいました。
まだお勧めして下さった本読んでないので、これから買いに行きますね。
そして、栗城さんの本。
ずっと読もうと思って、棚の上に置いてありました。
遅くなってごめんなさい。
今からじっくりと栗城さんの世界に浸らせていただきます。
栗城さん大好きです。
ぜひこれからの世界も楽しみにしていてください(^O^)/
また会いましょうね^^
はじめまして。栗城さんのファンです。シャーデンフロイデたまたま読んでいました。栗城さんがこの本について何を語っていたのか教えていただくことはできないでしょうか?