旅心
「地獄の門」
独裁国家と呼ばれるトルクメニスタン。
報道の自由度は、世界ワースト3位にもなるとても閉鎖的な国だ。
だけど、国民の医療費は無料、学費は大学まで無料。
その理由が、天然ガスの埋蔵量だった。
天然ガスの埋蔵量は、世界4位。石油にも恵まれている資源大国。
国土の70%が砂漠であった。
そして1971年に天然ガスを掘り当てるため、穴を掘ったら落盤事故が起こり、できた穴は直径60m。
有毒ガスを防ぐために燃やしてみたものの、ガスは止まることなく、もう50年近く燃え続けている。
ボクは、地図にも載っていないその場所を目指すことにした。
行き方がさっぱりわからないボクは、砂漠の手前にあるレストランで行き方を教わった。
「あなたの影と逆方向に進めば、きっと着くわよ。」
わかりやすい!ありがとう!
そしてその言葉を信じて、砂漠の中を歩き続けていたら、途中ラクダと出会った。
そうそう、ラクダのコブって脂肪ではなくて、水らしい。
だから長いこと砂漠で暮らせるみたいだ。
ボクも出発前に、できるだけ水をたくさん飲んでみた。
それから数時間歩いてみると、突如赤い大きな穴が現れた!
業火のようにボウボウと火が舞い上がり、まさに地獄への入り口のようだった。
その見た目から、この穴は地獄の門と呼ばれている。
そして驚いたことは、影の逆方向に進むことが、間違いない目印だったこと。
今日は曇りじゃなくてよかったな。
帰りは影がなくなったので、この穴の火で暖をとり、野宿したのは今でも熱い思い出だ。
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